No.226 加瀬亮(俳優)- VOICE - magabon interview -【magabon】: "――もしも雑誌の編集長になったら、どんな雑誌を作ってみたいですか?
「制約がない雑誌がいですね。心が豊かになれば、何でもいいんですけど、頽廃的なものとか、洗練されてないものだとか、まだ多くの人が知らない美しさについてのものがあったらいいな、と思います」"
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――ピュアなラブストーリーですが、脚本を読んだ印象はいかがでしたか?
「監督らしくないなとは思ったんです(笑)。ただ、いつも挑戦されている監督なので、ベタなラブストーリーにはならないだろうなと。真っ直ぐ来る人ではないっていうのはわかっているので。ファンタジーのストーリーを監督がどう仕上げていくのか、興味を持って、撮影地であるポートランドに向かいました」
――撮影を終えられて、どう感じましたか?
――撮影を終えられて、どう感じましたか?
「僕は幽霊の役なんですが、死んでいる人を生きている人と同次元でとらえる視点は、監督独特だなと。それと、台本だけ見ると、いかようにもドラマチックにできるんですけど、監督は絶対、それを大げさにはしない。若い時に感受することって、傍から見るとたいしたことがなくても、本人にとってはすごいことだから、大げさになるじゃないですか。それを監督は、監督の視点から優しく包んでくれているような感じがして。もし若い監督が描いたら、もっとドラマチックな重い映画になっていたかもしれません(笑)」
――共演したヘンリーの印象を教えてください。
――共演したヘンリーの印象を教えてください。
「ヘンリーとミアとは、『お前ら仲良くしろ』という監督の指令もあって、現場以外でもずっと一緒に遊んでいる感じで。二人とも、僕が到着してすぐに話しかけてくれて、ご飯に行ったりして。ヘンリーとは本や音楽、映画の交換に始まって、夜中まで一緒にいる時は、いろいろな話をして。撮影途中、ヘンリーのお母さんが来て、一緒にクラブにも行きましたね。彼は激しい人。感情の起伏が本当に激しくて、それだけ純粋なんですけど。それに比べると僕はもう中年でした(笑)」
――ミアの印象はいかがでしたか?
「楽しくて、役柄よりもずっとずっと明るい人です。今でもよくメールをしたりしていますが、今ではミアの弟のほうが仲が良かったりして(笑)。すっごいいいヤツなんです」
――監督との出会いのきっかけを教えてください。
――ミアの印象はいかがでしたか?
「楽しくて、役柄よりもずっとずっと明るい人です。今でもよくメールをしたりしていますが、今ではミアの弟のほうが仲が良かったりして(笑)。すっごいいいヤツなんです」
――監督との出会いのきっかけを教えてください。
「僕は昔から、監督の映画『マイ・プライベート・アイダホ』がすごく好きで。その話が伝わって、『エレファント』で来日した時に、雑誌で対談をさせてもらったんです。僕は大好きな監督だったので、緊張してあまり話せなかったんですが(笑)。でも、それから来日するたびに、『今、キャストの皆と来てるから遊びに来い』とか事務所に連絡をくれて、ちょこちょこ交流が続いていて。それで今回、監督から『次の映画で君の役があるかもしれないから、脚本を読んで感想をくれ』って、メールがきました」
――監督は、どのような方ですか?
――監督は、どのような方ですか?
「面白い人です。そして何よりも、優しい。単純に優しいというよりも、いろいろなものを見て、絶望なども引き受けた上での優しさがある。軽い意味じゃないんですけど、どんなことがあっても、『たいしたことないよ』って言ってくれるような。『マイ・プライベート・アイダホ』も、最後は主人公がひどい目にあって、路上に倒れているんですけど、スクリーンにニコちゃんマークが浮かび上がるんです。そういう感じが、すごく心を軽くしてくれて。実際、監督の周りには、伝説的な写真家のウィリアム・エグルストンとか、ヘンリーのお父さんのデニス・ホッパーとか、アメリカのビート・カルチャーも含めて、雑誌でしか読んだことがないようなすごい人たちが、友達としてたくさんいて。変人・奇人も多いんですけど(笑)、監督の優しさ、キャパシティの広さを感じます」
――本作では、少女との出会いにより、孤独だった少年の世界が色づき、輝き始めます。加瀬さんにとって、世界を広げてくれた出会いはありますか?
「やっぱり、その時その時出会った人たちから教えられることは大きかった気がしますね。男は結構単純で、中学生の男の子だろうが、4、50歳の男性だろうが、あまり変わらない気がするんです。いつまでも子供ですし(笑)。女性は別感覚というか、接するたびに『そういう感じ方ってあるんだ』って、感心することが多いです」
――“演じる”ことに出会った時は、いかがでしたか?
「最初に芝居を観た時は、全くこれまでとは違う感動がありましたね。僕は結構飽き性なので、今でも飽きずに役者を続けているのには、自分でも驚いています。演じるのが嫌になる時も、たくさんありますが(笑)。現場に入ったら、『監督の求めることをやる』と、やることは基本的に決まっているのですが、それがどうしても生理的にぶつかった時とか。いくら演じるといっても、等身大の自分から始めるしかないわけで、それが求められることと折り合わないと、引き裂かれる想いはします。最初に、役者という仕事に夢見ていた感じよりは、窮屈な状況もたくさんある。家にもあまり帰れない仕事ですけど、映画を作るというのは、毎回、場所も人も環境も変わって、感覚的にも完全に非日常の世界に入っていくもの。それは普通に生きていたら、絶対に味わえない感覚だから、やっぱり面白いと思います」
――生きること、死ぬことにストレートに向き合った本作。影響を受けた点や考えたことはありますか?
「活字になってしまうと誤解されるかもしれませんが、死は“当たり前”のこととして存在するもの、ということをすごく考えました。この映画の撮影中も、ヘンリーの父親であるデニス・ホッパーがずっと病気で、終わってちょっとしてから亡くなったんですけど、そういう状況を抱えながらいたヘンリーも見ているわけで。改めて、死は“当たり前”のこととしてあるものなんだと思いました」
――もしも雑誌の編集長になったら、どんな雑誌を作ってみたいですか?
「制約がない雑誌がいですね。心が豊かになれば、何でもいいんですけど、頽廃的なものとか、洗練されてないものだとか、まだ多くの人が知らない美しさについてのものがあったらいいな、と思います」
Text : Orie Narita
Photo : Megumi Nakaoka
Styling : Yuta Kaji
Hair & Make-up : Yasushi Miyata(VaSO)
――本作では、少女との出会いにより、孤独だった少年の世界が色づき、輝き始めます。加瀬さんにとって、世界を広げてくれた出会いはありますか?
「やっぱり、その時その時出会った人たちから教えられることは大きかった気がしますね。男は結構単純で、中学生の男の子だろうが、4、50歳の男性だろうが、あまり変わらない気がするんです。いつまでも子供ですし(笑)。女性は別感覚というか、接するたびに『そういう感じ方ってあるんだ』って、感心することが多いです」
――“演じる”ことに出会った時は、いかがでしたか?
「最初に芝居を観た時は、全くこれまでとは違う感動がありましたね。僕は結構飽き性なので、今でも飽きずに役者を続けているのには、自分でも驚いています。演じるのが嫌になる時も、たくさんありますが(笑)。現場に入ったら、『監督の求めることをやる』と、やることは基本的に決まっているのですが、それがどうしても生理的にぶつかった時とか。いくら演じるといっても、等身大の自分から始めるしかないわけで、それが求められることと折り合わないと、引き裂かれる想いはします。最初に、役者という仕事に夢見ていた感じよりは、窮屈な状況もたくさんある。家にもあまり帰れない仕事ですけど、映画を作るというのは、毎回、場所も人も環境も変わって、感覚的にも完全に非日常の世界に入っていくもの。それは普通に生きていたら、絶対に味わえない感覚だから、やっぱり面白いと思います」
――生きること、死ぬことにストレートに向き合った本作。影響を受けた点や考えたことはありますか?
「活字になってしまうと誤解されるかもしれませんが、死は“当たり前”のこととして存在するもの、ということをすごく考えました。この映画の撮影中も、ヘンリーの父親であるデニス・ホッパーがずっと病気で、終わってちょっとしてから亡くなったんですけど、そういう状況を抱えながらいたヘンリーも見ているわけで。改めて、死は“当たり前”のこととしてあるものなんだと思いました」
――もしも雑誌の編集長になったら、どんな雑誌を作ってみたいですか?
「制約がない雑誌がいですね。心が豊かになれば、何でもいいんですけど、頽廃的なものとか、洗練されてないものだとか、まだ多くの人が知らない美しさについてのものがあったらいいな、と思います」
Text : Orie Narita
Photo : Megumi Nakaoka
Styling : Yuta Kaji
Hair & Make-up : Yasushi Miyata(VaSO)
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